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本当はプライベートで受けた質問なのだけど、ここで答えても問題なさそうだから答えてみる。単にネタ不足で飢えているという噂もある。
質問主様曰く「描きたいシーンを描いているって風には見えない」とのことでしたが、いやいやそんなことはございません。私も描きたいシーンを描きたいように描いております。
ただ、「描きたいシーン」というのがこの場合、映像的なワンカット、印象的な一コマを指すのなら、「描きたいシーン」のためにより時間的な幅のある、尺の長いシーンを組み立てる、ということはやっております。"One for All,All for One"であります。火雲2章で迫持を出したんで、せっかくだからこれを例に取りますが、迫持は頂部の要石があって初めて成立します。しかし要石だけあっても、それは単なる楔形の石ころであって、美しいアーチは形づくりようがない。アーチがアーチであるためには要石もそれを支える他の石も何一つ欠けてはなりません。要石を「描きたいシーン」と考えれば、小説の文章というのは、立体的なアーチを時間の中に表出させることのできる、素晴らしい表現手段と思うのですが、いかがでしょうか。
で、どんなシーンを描くか、構成段階でどうやって決めているのか、ですが。そんなの思いつき……
私の場合、最初に小説全体で追究したい問題を考え(①)、次に問題を考えるのにふさわしいはずのストーリーを拵え(②)、それからプロットを練ります(③)。登場させたいシーンは②の段階でちらほら出来上がってきます。そのときのぼんやりしたイメージをもっと詰めていくのが③の段階ですが、やっぱり実際に書いてみないと分からないこともたくさんあります。書きはじめてからシーンを変更することもあります。アーチは具体的に言葉を並べないとなかなか見えてこない、というのが実情ですv
以上、答えになったかどうか分かりませんが^^;