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小説執筆日記、サイト運営日誌、雑記その他
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 いよいよ第三部も佳境一歩手前と言ったところ。

 小説の人物は作者が創造するとは言え、頭の中だけで考えているうちは見えないものが確かにある。あれこれ思いめぐらしている段階では、明日の予定と同じで、登場人物も未だ現実になっていない状態にあるのだと思う。書くことで初めて人物は創造される。書くまで見えてこないことがたくさんある。
 もちろん闇雲に筆のおもむくままに書いているわけではなく、ある程度頭の中で想像をふくらませてから執筆に取りかかるのだけれども、想像したことがそのまま文章に表れることはまずない。むしろ想像と創造は両輪で、想像して書き、書くことで創造し、そうしてできたものが新たな想像を生み、ずっとそのくり返しである。想像だけが走っても偏るばかりで前に進めない。創造になりきれない想像は単なる妄想として消えてゆく。想像したことが本当に現実になるかどうかは書いてみるまで、創造するまで分からない。
 しかしだからこそ書きたいと思い、書くのだろう。私は第三部の、兄妹の結末を知っている。明日が、来年が到来するようにその未来は変わらない。それでもそこに至る過程は私が創造することによってしか現れないのだから、まだ見えない。どうなるのか分からない。一歩誤れば真相は藪の中、想像は片輪になって妄想街道まっしぐら。妄想も楽しいけれど、やはり楽しいだけよりも苦しさと共にある楽しさの方がいい。
 人生だって、明日以降のことなんか分からないから生きていられるのだ。
 
 つひにゆく道とはかねてききしかど昨日今日とは思はざりしを     在原業平
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Name:Misumi Eiri(3A)
Home:SERANGOL
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